好きな本、好きな映画、おもろい人々、泣かずに遊ぼ!


by kateido2000
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病床六尺

正岡子規
卯の花の 散るまで鳴くか 子規 (喀血)

写生の技法の俳句




赤蜻蛉 筑波に雲も なかりけり

病床六尺

病床六尺、これが我が世界である。

しかもこの六尺の病床が、余には広過ぎるのである。

僅かに一條の活路を死路の内に求める。




我に二十坪の小園あり。

桔梗、撫子は実となり

朝顔は花のやや少なくなりし

八月末より待ちに待ちし萩は

一つ二つ綻び初めたり。

葉鶏頭は

少し傾きしばかりなり。

痩せてよろよろとしながら

なお燃ゆるがごとき紅。

しだれていとうつくし。




明治31年 10月10日 ホトトギス




松山市立正岡子規記念博物館 最晩年の手紙

「僕の今日の命は 病床六尺にあるのです。その中で新聞をあけて病床六尺をみると、僅かに蘇るのです。

今朝新聞をみたときの苦しさ病床六尺がないので泣き出しました。

もしできるなら少しでも載せて頂いたら、命が助かります。」




根岸 子規庵

9月14日の朝 高浜虚子に口述筆記

今朝起きてみると精神は非常に安穏であった。

そのままにガラス障子の外を

静かに眺めた。正面には

女郎花が一番高く咲いて、

鶏頭はそれよりも少し低く

五、六十本散らばって居る。

余は病気になって以来

今朝ほど安らかな頭を持て

静かにこの庭を

眺めたことはない。

糸瓜の葉が一枚二枚だけひらひらと動く。

何だか苦痛極まって

しばらく病気を

感じないようなのも不思議に思われたので、

文章に書いてみたくなって

余は口で綴る。



5日後9月19日午前一時遠逝せり。

享年35歳
by kateido2000 | 2014-11-08 00:56 | 好きな本好きな映画