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by kateido2000
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それってどうなの主義  斉藤美奈子著

日の丸、戦争、靖国から、皇室報道、学校教育、児童文学、ファッション誌まで…オウム事件後10年間のニッポンの右往左往ぶりをめぐる痛快エッセイ集。

上記がこの本の概略である。R子から「この本面白いよ」と差し出されたのが「冠婚葬祭の秘密」これがめちゃくちゃ面白く以後斉藤女史にはまっている。
「それってどうなの主義」から「奥様の手料理」という章を抜粋してみる。

芸能界の結婚がらみの記者会見を見ていて毎度ウンザリさせられるのは。日本の芸能マスコミの体質の古さである。「ご結婚なさっても、奥様は、お仕事、続けられるんですか?」という質問にもあきれるが、それはまあよしとしよう。実際にも結婚して引退する女がまだいる以上、引退の有無は報道陣にとっては重要な質問かもしれないからだ。それよりカンにさわるのは、必ず出てくるこの質問だ。
「○○子さんは、お料理のほうはどうなんですか?」一方ダンナに対しては「○○子さんの手料理は、もう召し上がりましたか?」
ここで毅然と、「どうして結婚と料理が関係あるんですかっ!」とインタビュアーにかみつく若きスターを私は待っているのだけれど、いまだにお目にかかったためしはない。
なぜこの質問がよろしくないか。1番目の理由はほかでもない。女は結婚したら(共働きでも)家事を担当すべきであるという性別役割の観念を固定化することになるからだ。「妻とは家事をやってくれる人のことである」という古い発想を根本的に変える必要がある。(こんな当ったり前のこと、なんでいまごろいわなくちゃいけないの?)
2番目は、これが男性も女性もなめた質問だってことだ。いまどき女の子より料理が得意な男の子なんかいくらでもいる。(SMAP×SMAPを思い出せ)。逆にいえば、この家庭科男女共修の時代に、いい年をして料理のひとつもできない男こそ少しは恥じ入るべきなのだ。どうしても家事能力について聞きたければ、両方に質問するのが筋だろう。


そうだそうだ!とヒザ打ち手を鳴らすのは私だけ?
それってどうなの主義  斉藤美奈子著_d0073646_19474884.jpg

by kateido2000 | 2007-04-10 19:47 | 好きな本好きな映画