七夕
2007年 07月 05日
亡き母は毎年やっていたな~。家事などは、私と同様殆どやらなかったのに、何故かこういう行事だけはきちんとこなしていた母。彼岸の彼方にいる母や父や祖母、叔父、伯母などを思いつつ、七夕飾り。短冊に7月に書いた母の句をしたためた。
母の句は豪快。 それからお客さんにも書いてもらった。
こちらは母の句
① 缶ビール サハラ砂漠の 砂に置く
② 昂ぶれば 体温匂ふ 大雪嶺
③ 青山椒 バザールの豚 照光る
④ 水連が 溺れる シルクロードの風
⑤ ともえ逝き 栄草が病む 梅雨月夜
⑥ ビタミンC 不足している 薔薇届く
⑤のともえとは、10年以上前、ボンベルタ橘デパート(昔は橘百貨店だった)の隣で「よしの文具店」を経営していた女性。栄草も俳句の仲間。こんな句を1999年の7月に詠んでいる母は、この翌年2000年1月に他界した。母が逝く前日に栄草も逝った。
短冊を書きながら息子と話した。
息子「おばあちゃん、何か豪快やね~」
私「豪快やね~、缶ビールをサハラ砂漠に置くなんて、かっこ良すぎ」
息子「サハラって、行ったと?おばあちゃん」
私「行ったよ、行かんと書けん」
息子「おばあちゃんの旅行は、俳句のため?!」
私「そ。缶ビール、置いたんだよ、サハラ砂漠に。あ、いかん涙出てきた」
息子「泣かんでいいが。ビタミンCの俳句も、いかにもおばあちゃんやね。薔薇が届いたっちゃ!」
私「だからね、ウソは書かん。届いたんでしょ~よ。」
息子「ビタミンCが不足しちょっちゃかい、薔薇やらくれんで、蜜柑ゼリーか何かくれんかい!っちゅう話やろか?」
私「・・・・。」
ありうるけどね。母が作った七夕飾りの短冊には、ビルのテナントさん1軒1軒への思いを込めて句が作ってあった。あの俳句を取っておけば良かったと、今後悔している。