白秋 風
2007年 09月 04日
猪も ともに吹るゝ 野分かな 芭蕉
私の母は山陰は米子の産まれ。その地方では<日方(ひがた)>と呼ばれる風がありました。
日のある方、つまり南の方から吹いてくる風のことらしいです。
風に色があるのをご存知でしょうか。草木の靡(なび)きなどで風の動きが感じられるのをいうそうです。青葉の上を吹き渡っていく風は緑風(りょくふう)、
秋の野山に吹く、確かに秋の韻(ひび)きを持つ風を<色なき風>といいます。
漢詩では、春に青、夏に朱、秋に白、冬に玄の色を配していて、考えは古くから日本にも伝わっています。春に青で<青春>という言葉が生まれたんでしょうし、<玄>とは黒のことですから、玄人をくろうととよばせます。
ところで今日家の近くの公園に自転車で通りかかりました。厚生年金ホテルと市の体育館を挟んで広いテラスがあります。ここは県庁前の楠並木と並んで好きな場所。ここを自転車で走ると、幸福を感じます。で、今日も自転車で走りました。短い距離だからゆっくりと。木漏れ日はもう秋です。吹く風もさわやかに髪をなぶります。ミンミンゼミの泣き声はツクツクボーシに変わっていました。いく夏がつくづく惜しい、って鳴いてるんですってね。
青い春が青春なら、私たちの季節はどこらへんでしょう?朱い夏の季節はとうに終り、玄冬では、ちょっとまだかわいそう。ってことは白い秋、白秋?何だ、1番好きな季節だ~!!