「プライド」 by一条ゆかり
2008年 06月 14日
苦労知らずのお嬢様育ちの<史緒>。男に走る母を持ち、苦労して育った<萌>
まぁ、一方的に萌が史緒を攻撃するんだけど、なんだか萌にシンパシーを感じる私。
勝ち抜くためには、汚いことも平気でし、その場を切り抜けるためには土下座までしてしまう。そんな萌に史緒は「あなたにはプライドはないの?」と問う。
「そんな役に立たないものは、とうに捨てた」と答える萌は、かっこいい。
一条ゆかり、団塊世代。だけど枯れない。どころかますます彼女の筆(かな?)は冴える。1970年にデビューした一条、最初の何作かを除けば、彼女の漫画は一貫して、すこぶる面白い。だけど、ドラマ化したら、もう最悪。「砂の城」然り、「正しい恋愛のすすめ」然り、「有閑倶楽部」にいたっては怒りを覚えたもんね。どんな映像も彼女の漫画を映し出すことはできず、陳腐な駄作に代わってしまう。願わくばこれ以上ドラマ化してほしゅうないな。
小説も好きだが漫画も大好き。朝日新聞は、四コマ漫画「ののちゃん」が連載されているばっかりに、やめられない。お蕎麦や「慈泉庵」に毎週日曜に行く理由の1つは、そこにある「ビッグコミックオリジナル」の、「黄昏流星群」と「弁護士のくず」と「アンドーナツ」の続きが読みたいから。にもかかわらず、電車やバスの中でマンガを読むのは恥ずかしいと思うし、車内でマンガ雑誌を貪るように読んでいる男には、思い切り引いてしまう。なぜかだろう?見た目が美しくないからかしら。文庫本を涼やかに読む女の人って絵になるけど、マンガは絵にならないから?ビジュアルの問題かな~??