出世花 by高田郁
2010年 06月 10日
不義密通を犯した妻の血を引く娘に、なにとぞ善き名前を与えてくださらぬか」幼いお艶と共に妻敵討ちの旅に出て六年、江戸近郊で無念の死を遂げた矢萩源九郎が寺の住職に遺した言葉である。しかし、源九郎の骸と魂は三昧聖によって清められ、安らかに浄土へ旅立つ。「艶」から仏縁の「縁」と改名した少女が美しく成長する姿を、透明感溢れる筆致で描く感動の時代小説。
「みおつくし料理帖」を読み終えたので本当につまんない。だからネットで購入したこの1冊。
「三昧聖」とは湯灌をする者のこという。そして「湯灌」をするスペシァリティーに娘はなっていく。ちょっと前まで「湯灌」は死者が俗世を捨て、やすらかに浄土に旅立つ準備を整えるためのものだった。
因みに母がなぜ水から先に入れ後から湯を入れる白湯を嫌ったのかというと、湯灌の際にこの「逆さ湯」という方法を取る。死にまつわる事や物を母の世代から上の人は忌み嫌っていた。

「高田 郁 は本作で 第二回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞し、作家デビューのきっかけとなった」
☆宮崎は都城で又口蹄疫が確認された。本当に宮崎は死んだ街になっている。ため息ばかりが出る。