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好きな本、好きな映画、おもろい人々、泣かずに遊ぼ!


by kateido2000
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空也上人がいた  by 山田太一

山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?

あれだけ何度も京都に出向いているのに、空也上人が蔵される六波羅密寺に行ったことがなかった。
清水寺のすぐ側なのに。
このお寺の存在さえ知らなかった。うすぼんやりと知ってはいたけど、空也上人ってどんなお方?
この本を読めばそれがわかるわけではないけど、人生の黄昏を迎えた?我々には是非読んでおきたい1冊かもしれません。


「八十一年働きき続けてることに、時々驚くんだ。寝ても醒めてもだろ。こんなに休憩もなく絶え間なく動いてるなんて、途方もないよねえ。なんか不自然な気さえして来て、少し岨めて休ませなくていいのかなんて思っちまう」「はい」「そういう齢だから終りについては不満も欲もない。問題はその前だね。六年前、女房を亡くした。これにはぴっくりしたね。そういうことがあり得るのは百も承知で承知していなかった。感じとしては突然七、八人に死なれてしまったようでね」

↑妻に先立たれた81歳の老人が主人公草介に語るこの言葉が全て。こんな想いはきっと誰だって抱くものなのだと思う。
次回上洛の際には「六波羅密寺」まで行ってみよう。空也上人に会ってこよう。
空也上人がいた  by 山田太一_d0073646_22422486.jpg

by kateido2000 | 2012-03-12 22:43 | 好きな本好きな映画