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好きな本、好きな映画、おもろい人々、泣かずに遊ぼ!


by kateido2000
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醤油と薔薇の日々  by 小倉千加子

うさ子へ
タイトルの「醤油と薔薇の日々」の持つ意味はメタファー。何のかといえば。。。読んでくれ。
ざっくり言うと、薔薇はハレ、醤油はケ。ハレとケ。飴とムチ?


少子化の隠れた原因として九〇年代の安田成芙のCM、そしてニO〇〇年代における檀れいの「金麦」のCMがあるということが考ええ過ぎであるとは思わない。この二つのCMには共通点があり過ぎる。・・・
理想の主婦はフレアースカートを履いて、拗ねたり怒ったり・ふくれたりしなけれぱならない。『理想の主婦はこういうもの」と、夫の視線で教えられると、主婦になっても自分との闘いは続くのかと暗澹たる想いいになるな女性も多かろう。《あとがきより》


以下↓姫野カオルコが雑誌「ダ・カーポ」に書いた一文。

「はじめて、安田成美が丸大豆醤油とかいうのを買ってきて家庭料理の並ぷテーブルの前で上目づかいに『なんか(顔に)ついてる?』と無垢な(無垢を装った)表情で尋ね『へんなの・・・・・・』とクスッとはにかむCMを見たとき、私は全身に鳥肌がたち胃液が逆琉してくるのを感じた」

姫野さんは、自身の感情をかくも逆撫でしたものの正体をこう書いている。「『なんかついてる?』と尋ねる顔がすでに『よく知つている』顔なのである。家庭料理を差し出された男が『あ、かわいい。抱きしめたい』と思ったことを知りぬいた、知りぬききった顔なのである」

丸大豆醤油の「薔薇っていう字、書ける?」バージョンに対しても、姫野さんは、「『薔薇っていう字が書けることぐらいを自慢しちゃったりするお茶目さ』を知りぬいてぃる。知りぬきながら、これまた本人は無自覚である」と非難している。
別の表現では「天性の媚に対する嫌悪感、いや媚ぴないでいようと一分たりとも発想しない厚かましさに対する嫌悪感」とも言っている。


何故女があのCMを嫌うのか?!

雇用機会均等法以後の、所詮みんな一般職のやけくそ時代にあっては媚でも何でも使える武器は全部使って経済的安定を手に入れるしかないじゃないか、と、応援とはいかないまでも、平然として女たちは媚ぴる女を眺めている。女が経済と割り切っている結婚に、まだロマンチックな幻想を被せて見ているのは男だけなのだ。要するに、女たちは他の女が媚ぴる程度のことに、いまさら動じない。
安田成美が、姫野さんの逆鱗に触れたのは、女たちが居直っている「媚ぴるしか武器がないなら、女は媚ぴてでも何でも男を利用するしかない時代」という認識をおちょくられたと感じたからだと思う。
それは、媚ぴることで手に入れた結婚生活の中にあって、安田成美が「結婚してもまだ媚ぴようとしている妻」を見せたからだ。
結婚してもなお、夫への媚というサーピスが控えているなんてうんざりする。それは、喜んで家事をやるというサーピスに加えて、性愛の領域において受身でありつつその気にその気にさせてあげるという、さらに面倒臭いサービスなのである。


男女雇用機会均等法などと「絵に描いた餅」のような法律ができて女の立場が良くなったと思っている女が何人いるだろう。
だったらいっそ、明治大正の時代の「食わしてやるからついて来い」式のほうが清々しい気がする。

安田成美と壇れいのCMに共通するファッションアイテムは
きれいな色のセーターと長めのフレアースカート。
ヘアスタイルはセミロングで、飾り気の無いウエーブ(これって結構難しい)またはボブっぽいショート、決してテクノカットではだめなのですよ。
こんなんもあったぞ・・・、んぎゃ~っ!

醤油と薔薇の日々  by 小倉千加子_d0073646_22241466.jpg

by kateido2000 | 2013-09-12 21:02 | 好きな本好きな映画