姫だるまへ
2014年 11月 01日
井伏氏は、濃い霧の底、岩に腰をおろし、ゆっくりと煙草を吸ひながら、放屁なされた。
いかにもつまらなさうであった。
覚えてる?あたしがあなたに「放屁っておならをすることだよね」って言ったらあなたは「そうだ」と答えた。
国語の教科書におならをする一説が載るなんて!とずいぶんそのとき驚いて、今でも忘れていない。
で、近ごろ出会った本で、井伏鱒二と劇作家の伊馬春部氏の対談の中井伏鱒二が言ってました。
僕は放屁しないんですよ。抗議しろっていう人があったから太宰に抗議したらね、「いや二つなさいました。三つなさいました。」って、わざと敬語を使ってね、話をごまかす。ぼくが放屁したら、三ツ峠の山小屋のヒゲじいさんがクスッと笑った、というんですよ。そのじいさん、八十いくつで耳が悪く、きこえるわけがない。(笑)
姫だるま様、覚えてないよね。でも長年の積もってたウロコが目から落ちたので・・・。」