セクシュアリティの心理学
2006年 12月 21日
ほんの1箇所抜粋します。
<「性」の意味するもの>
ジェンダーという概念が「性」を意味する科学用語として最初に使用されたのは1955年です。それまでセックスという語で語られ説明されていた性別に、新しい意味がつけ加わったということになります。1950年代から「性」を指し示す用語は、以下の3つになりました。
(a)セックス 解剖学的・性別
(b)ジェンダー 社会的・文化的・性別
(c)セクシュアリティ 性的欲望・性的行動の総体
解剖学的性別はさらに4つに分かれます
①性染色体の構成 X染色体とY染色体の組み合わせの構成をしているのか?(受精の段階で決まる。XX・XY・XXY・XYY)
②性腺の構成 卵巣・精巣・卵精巣・線状性腺に分化しているか?(男性ホルモンと女性ホルモンの分泌は相対的バランスであり、固体差や年齢差がる)
③内性器の形態 子宮に分化しているのか?前立腺に分化しているのか?
④外性器の形態 陰唇やクリトリスに分化しているのか?陰嚢ペニスに分化しているのか?
⑤誕生したとき医者が決定する性 女の子なのか?インターセックスなのか?男の子なのか?(染色体で判断する場合もある。どちらにも属さない場合は、出生後すみやかに判断してどちらかに手術をほどこす。この場合、当然新生児にインフォームドコンセントはできない。ペニスかクリトリスか判然としない場合には医者が女児と判断した場合には、クリトリス縮小手術を行う。医学的に3通りの性別がある。
⑥戸籍の性 社会的な性的二言論
⑦第二次性徴 月経が発現するのか?勃起して射精するのか?どちらも発現しないのか?(この時期に医者が判断した性別が間違っていたということがわかる場合がある。
⑧性自認 女性なのか?男性なのか?インターセックスなのか?(本人がどう認めているかということ。今問題になっている{性同一障害」はここが基点)
⑨性的指向 性愛の対象として女性を指向するのか?男性を指向するのか?両性を指向するのか?
「身体性」と「性自認」と「性的指向」が首尾一貫しているものを私たちの社会でノーマルな人物と呼んでいます。
《「結婚は女の幸せ」という社会通念については、1992年の総理府調査でも8割の男女が「女の幸せは結婚にある」に賛成しています。スウェーデンでは2割に満たず、アメリカでは3割に満たないこの社会通念の日本における強さは世界有数の現象です
中略
(結婚は)学歴が低くなるほど既婚率が高くなります。つまり中卒・高卒・短大卒・四大卒の順に結婚していきます。また都道府県別に見た女性の結婚年齢は、県民所得が低くなればなるほど早くなります。女性は一人で食べていけないという理由で最も多く結婚するのです。》