桃尻語訳 枕草子 橋本治著
2007年 01月 26日
・・春はあけぼの やうやう 白くなりゆく・・・・・で始まる枕草子ですが、桃尻語に訳すとこうなります。
春って曙よ!
だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって、紫っぽい雲が細くたなびいてんの!
夏は夜よね。
月の夜はモチロン!
闇夜もねエ・・・・・・。
蛍がいっぱい飛びかってるの。
あと、ホントに一つか二つなんかが、ぼんやりボーッと光ってくのも素敵。雨なんか降るのも素敵ね。
秋は夕暮れね。
夕日がさして山の端にすごーく近くなったとこにさ、鳥が寝るとこに帰るんで、三つ四つ、二つ三つなんか、飛び急いでくのさえいいのよ。ま・し・て・よね。雁なんかのつながったのがすっごく小さく見えるのは、すっごく素敵!日が沈みきっちゃって、風の音や虫の音なんか、もう・・・たまんないわねッ!
冬はつとめて(早朝)よ。雪が降ったのなんか、たまんないわ!
霜がすんごく白いのも。
あと、そうじゃなくっても、すっごく寒いんで火なんか急いでおこして、炭の火持って歩いてくのも、すっごく”らしい”の。
昼になってさ、あったかくダレてけばさ、火鉢の火だって白い灰ばかりになって、ダサイのッ!
をかし・いとをかし・を現代語に訳すと、たまんないわねッ!となります。
枕草子を今で喩えるなら、「情報誌」例えばアンアンとかノンノンとかおそろしくミーハーな物だと橋本氏は後書きで書いてます。そして清少納言について橋本は《彼女の価値観は”ミーハー”・”センチメンタリズム”・”小姑根性”で、この三つを冷静な観察力がつなげている。知性を獲得した女にとって”自由とはこういうものであったろう。「千年も昔にこういう女がいたのよ!」は「千年経っても相変わらずこういう女」ということでもある。》
昔も今も女は女だし、男はやっぱり男。食べる物やファッションに若い世代は興味津々だったみたい。