霧笛荘夜話 浅田次郎著
2007年 02月 21日
けどね、かわい~んだよね、次郎様は。うんうん、もしかしているかもしんないね~、って言ってあげたくなる。女だって昔々は白馬の王子様ってヤツを信じてた・・ような気がする。ただ男よりも幻想に気づくのが早いだけ。それもかなり早い時期に気づくのだ。で、この本です。
「霧笛荘」には、アパートを管理する纏足の老婆が住んでおり、六つの部屋が用意されている。あなたは老婆に案内されて一つ一つの部屋をめぐり、かつてそこに住んでいた人々の人生の物語を聞かされる。「霧笛荘」の住人はみな、不器用だけれども誠実に、普通とは少し違っていてもそれなりに幸せに生きていたのだが――比類ない優しさに満ちた、切ない感動を呼ぶ七つの物語。