中村うさぎ
2007年 02月 25日
「オヤジどもよ!」は中村の本来のパワーが全開の1冊。
<内容は悪口というより、むしろオヤジへの叱咤激励文になってしまった。なぜなら書き進めていくるうちに、何を隠そうこの私自身がオヤジじゃないかということに気づき、なんだか世のオヤジたちが憎めなくなってきたからなのだ>と、こう筆者は書いてるが、どうしてどうして、オヤジに対する矛先は過剰に鋭い。ムフフフ・・・面白いわ~。
<諸君、オヤジは卑しい。オヤジはみっともない。そしてオヤジは寂しい。オヤジは愛しい。オヤジはすべての人間の「恥」と「罪」と「哀しみ」を背負って生きている
ああ、オヤジどもよ!
蟻んこよりも小さな自我と誇りを抱き、
腹を突き出して虚勢を張って、
今日も長い旅路をぞろぞろと、
ぞろぞろと往く王者の群れよ。
その群れに神の祝福あれかしと
願うものなし、祈るものなし。
死して屍拾うものなし(チーン)。<b>>
私個人としてはあ~そうなんだ!と思い切りヒザを打ったのはこの部分。
<唐突ではあるが、中村は自分のコトを女だと思っていない。いや、もちろん生物学的には女なのだが、どうも魂が女じゃないような気がするのだ。かといって、男なのかと尋ねられれば、これまた「ちょっと違う」なのであり、この「私の心は女なのか、男なのか、どっちなのだ?」という居心地の悪さを、じつはつい数年前まで引きずっていた。で、40歳も近くなったある日、友人のゲイから次のようなご指摘をいただいて、私の心はスッキリと晴れ上がったのであった。
「あんたはねっ、オカマなのよ!見た目は女だけど、あんたの魂は完璧にオカマよっ!」>
私の心もすっきり晴れ上がった。