たぬき先生
2007年 07月 18日
<孫育て>
年寄りと孫との間には、どうやら、深いところで、通い合うものがありそうです。
なにしろ、年寄りはほとんど無条件に孫を受け入れるし、孫も遠慮なくわがままをいいつのってます。
たとえ若い親には許せないことでも、年寄りと孫とは、こっそりとやってしまいがちです。
そんなふうになるのは、おそらく人生の始めと終わりには、共通するものがあるためではないかと思われます。
人生の盛りにいる若い親は気負いが強いけれど、子どもは理想などはもちません。いま現在を楽しみたいだけなのです。
いっぽう、年寄りは、「年の功」で、理想の限界を知り、人間にも寛容になっています。自分自身も、残り少ない日々を楽しみたくなっているはずです。
だからこそ、孫は年寄りに勝手をいい、年寄りは孫に甘くなるのでしょう。もしかして、年寄りが孫より位が下になっているかもしれません。
でも、そんな関係は、あながち悪くないと思います。
力が弱く悔しい思いをしているであろう子どもにとって、いいなりになってくれる人の存在は、どんなにありがたく、自尊心をもたらすものであることか。
しかも、こうして満たされた甘えは、子どもの情緒を安定させ、ひいては他人に対する思いやりさえ育むもの。昔から「年寄りっ子は優しく育つ」といわれるとおりでしょう。
ただ、そうはいっても、限度があるのはもちろん。可愛さに駆られて、年寄りのほうからあれこれ甘やかしていると、孫をわがままにしかねません。そのことだけは肝に銘じておきたいと思います。 たぬき先生のHP