異常事態
2009年 05月 20日
<西洋薬と漢方薬>・・・北海道漢方医学センター:本間行彦院長
西洋薬による風邪の治療は対症療法、つまり症状を抑える治療が中心だ。セキが出ればセキ止め、熱が出れば解熱剤が使われます。「風邪に使われる漢方薬はほとんどが体を温める作用を持つ」という。熱が出るのに、なぜさらに体を温めるのか。
実は、ここにも漢方の知恵が働いていたのです。「風邪のウイルスは、熱に弱いのです。そこで、体は風邪をひくと体温を上げてウイルスを駆逐しようとします。漢方薬はその体のシステムをうまく利用して風邪を治すのです」。特にインフルエンザウイルスは熱に弱く、37度台になると時間単位で死滅していくといいます。これが38度台になると分単位、39度台になると秒単位で死んでいくそうです。「高熱が出るということは、それぐらい強いウイルスに感染したということなのです。
風邪をひいて4~5日たつと、急性期を過ぎて亜急性期に入る。(1)口の中がネバネバする、苦い感じがするなど口の中の不快症状が出てくる(2)セキが出る(3)食欲も低下する(4)全身がだるい、という4つの症状が出てくるのが、この時期の特徴。
こういう時期に入ったら、もう葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)など急性期の薬は効かない。「小柴胡湯(しょうさいことう)を中心に、柴胡剤がよく効く時期」だという。柴胡剤は、現代医学的には、免疫を高めることが動物実験などで証明されているそうです。
風邪の亜急性期の場合も、小柴胡湯は日ごろ割合、体力がある人に向く。高齢者など体力があまりない人の場合は、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)など、柴胡剤でももう少し弱いものが向くそうだ。「柴胡剤を服用すると普通は3~4日で治ります。もしそれでもよくならない、長引く風邪の場合は、風邪で落ちた体力を上げる漢方薬が必要になってきます」と本間院長。いつまでも同じ薬を続けず、時期によって変えるのが、漢方薬で風邪を治すコツなのです。
とにかく初期の風邪&インフルエンザは麻黄湯・葛根湯。
その時期が過ぎたら紫胡剤。紫胡にはサイトカイン・ストーム(体の免疫が過剰反応して致死的な循環器障害を引き起こす)を抑える作用があります。
☆身体は冷やさない。だから冷たいものは口にしない。良く寝る、食べる。