夕映え天使 by浅田次郎
2009年 06月 04日
それでも変わらないのは浅田次郎の風景の描写。
「国道の長い下り坂を走るうちに、冬空からふいに雲が払われて、午後の光を満身に浴びた浅間山が姿を現した」・・・・夕映え天使
「物干しから眺める夕まぐれの景色が好きだった。」
「東の空からゆっくりと、夜のしじまの忍び寄る様子・・・」
「秋空は急に暮れて、夕星(ゆうずつ)が瞬きはじめた」。・・・・・・切符
「花々は一斉に首をもたげ、蕾は見る間に膨らみ、庭はたちまち豊穣な香りに満ちた。
背景は純白のサマースノーと真っ赤なドルトムント。ステージにはジャック・カルティエの大輪。黄色のグラハム・トーマス。マチルダ。ブルームーン。花壇のへりにはピンクと白の日々草が咲き誇り、色分けされたペチュニアがすきまを埋めていた。ベランダからはブーゲンビリアの瀑布がなだれ落ち、壁を被う蔓には青いクレマチスが満開だ」・・・・・特別な一日
「朱を奪われた海と空が、たちまち温かな琥珀色に染まった」・・・・・・琥珀
「海は群青の空と溶け合って、やはり垂直に立っていた」・・・丘の上の白い家
「空を響動(とよ)もして春の嵐が寄せてくる、朝まだきであった・・」・・・・樹海の人
<特別な一日>で描写される花の名前をほとんど知らない。調べてみようと思う。