好きな本、好きな映画、おもろい人々、泣かずに遊ぼ!


by kateido2000
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夕映え天使   by浅田次郎

短編集は久しぶり。ご本人は短編よりも長編がお好きらしいが、「鉄道員(ぽっぽや)」のたたりがまだ続いて短編を書かざるをえない、ということらしい。泣かせの浅田という決め付けはイヤだと浅田氏はあちこちで語っている。だから(というか)この短編集を「鉄道員(ぽっぽや)」のノリで読むと、肩透かし(良い意味で)を食うことになる。
それでも変わらないのは浅田次郎の風景の描写。

「国道の長い下り坂を走るうちに、冬空からふいに雲が払われて、午後の光を満身に浴びた浅間山が姿を現した」・・・・夕映え天使

「物干しから眺める夕まぐれの景色が好きだった。」
「東の空からゆっくりと、夜のしじまの忍び寄る様子・・・」
「秋空は急に暮れて、夕星(ゆうずつ)が瞬きはじめた」。・・・・・・切符

「花々は一斉に首をもたげ、蕾は見る間に膨らみ、庭はたちまち豊穣な香りに満ちた。
背景は純白のサマースノーと真っ赤なドルトムント。ステージにはジャック・カルティエの大輪。黄色のグラハム・トーマス。マチルダ。ブルームーン。花壇のへりにはピンクと白の日々草が咲き誇り、色分けされたペチュニアがすきまを埋めていた。ベランダからはブーゲンビリアの瀑布がなだれ落ち、壁を被う蔓には青いクレマチスが満開だ」・・・・・特別な一日

「朱を奪われた海と空が、たちまち温かな琥珀色に染まった」・・・・・・琥珀

「海は群青の空と溶け合って、やはり垂直に立っていた」・・・丘の上の白い家

「空を響動(とよ)もして春の嵐が寄せてくる、朝まだきであった・・」・・・・樹海の人


<特別な一日>で描写される花の名前をほとんど知らない。調べてみようと思う。
夕映え天使   by浅田次郎_d0073646_2541585.jpg

by kateido2000 | 2009-06-04 02:55 | 浅田次郎