自虐の詩
2009年 06月 22日
映画の中の1シーンだけど、こんなのが・・。
自宅兼ラーメン屋で西田敏行(ヒロインの父)が、2階の部屋に射しこむ太陽を見て、「この部屋西日が当たるよ!びんぼくせ~!」。
「まだ午前中だ」とラーメン屋の主人が返すんだけどね。個人の主観なんだよな、ナニが「びんぼくせ!」と思うかは。
今日書店に行って平積みになっている本のタイトル、例えば「ザ・十和子本」だの「1人5役仁香の幸せ美人道」などの「How To あなたも美しく」みたいな本とか、「なぜならやさしい町があったから」みたいな中山美穂が、旦那(女優大好きなミーハー作家)と二人で意味なくパリに移り住んだことを綴ったエッセー本とかをなぜか私は、「びんぼくせ!」と思ってしまったのだった。理由?ま、独断と偏見のみだけどさ。
書く人たちはそれぞれがゴージャス(私は思わんが)なんだろうけどさ(本人たちもこんなワタシなのよ!ホーッホホなんだろうし)書いてる人も買う人もびんぼくさくない?
それはともかく、「自虐の詩」は面白い。原作は四コマ漫画らしいけど、それをよくこんな映画にしたなと感心。阿部寛が元ヤクザの役で、眉を半分剃って、パンチパーマ。5~6回くらいちゃぶ台をひっくり返す。それぞれのちゃぶ台返しで、乗っかってる食事の内容が違う。中谷美紀が不幸のてんこ盛りの女を熱演。「幸せになりだいっす~」(東北弁)、「でも幸せはあなたのすぐソバにあるのよ(ホントかよ!?)」がテーマ。
ヤマムラDrからのメール。
『素晴らしき出会い』
最近は、急性骨髄性白血病のためにまだ今からという3
8歳で夭折した天才歌手の本田美奈子さんの残したCDやDVDにはまっています。以
前から、ミュージカル『ミス・サイゴン』で高い評価を受けた彼女の才能に興味
は持っていましたが、これというきっかけがなく、意識して聴いたことはありま
せんでした。先日、TSUTAYAにモーツァルトに関する本を探しに行った時に、偶然
、彼女と有名な作詩家である岩谷時子女史との運命的な邂逅と過酷な闘病生活で
の支え合いについてNHKハイビジョンで特集された番組が『甦れアメイジング・グ
レイス』という本になって出版されたのを眼にしました。その本では、彼女が隔
離された無菌室に入院していて動けないため、たまたま骨折治療のために同じ病
院に入院していた師と仰ぐ岩谷氏とICレコーダを使ってメッセージを交換したり
、アカペラの歌声をICレコーダに録音して届けていた記録の一部をCDにしたも
のが付録になっていたので、即、購入しました。
それからというもの、大波に呑まれるかのように彼女の遺した作品にどっぷり
とはまってしまいました。今となって、なぜ彼女の生前に彼女の歌声を生のコン
サートで聴かなかったのか悔やまれます。幸いに、いくつか遺されたCDやDVDでそ
の天才ぶりを堪能できるので、時間さえ許せば何度でも繰り返し聴いたり観たり
できるのが不幸中の幸いかと思っています。中でも、夏の阿蘇での野外コンサー
トでの『つばさ』の絶唱は彼女の早過ぎる旅立ちを心の奥深く刻ませてくれる貴
重な映像です。
それにしても、芸術の才能があるということは素晴らしいことです。音楽にして
も、絵画や小説にしても天才の遺したものは永遠に人を虜にする力があります。
もちろん、まだ現在も活躍しているミュージシャン達の作品もクラシックやポピ
ュラーなどジャンルを問わずに楽しんでいますが、リヒテル、ハイフェッツ、マ
イルス・デイビス、コルトレーン、ビリー・ホリデーなどの燦然と輝くきら星の
如き天才達の演奏や歌声のかずかずは私の人生における宝物となっています。ポ
ピュラーではザードの坂井泉水やテレサ・テンも時々聴いていますが、彼女たち
が夭折したのも神様の思し召しでしょうか。これからも残された人生を貪欲に天
才達の足跡を味わって生きいきたいと思っています。
コピーした本田美奈子のCDいただきました。「アメージング・グレース」を聴くと「白い虚塔」が浮かびます。